TOVINTAGE(トビンテージ)
秘蔵の古酒で祝う、至福のとき。
蔵の中でしばしの眠りについた酒が、10年、20年の時を刻み、ゆっくりと熟成を重ねていく。その姿は淡い琥珀色から褐色へと移りゆき、カラメルやナッツを思わせる複雑な香りをまといながら、重厚で深い独特の味わいへと変化を遂げる…。
斗瓶というガラス製の特殊な容器の中で時間をかけて繰り広げられる、清酒の熟成。酒が醸された年の気候や原料米の品質によってあらわれる香りや味が時の経過とともに表情を変え、やがて艶やかな色沢と品格に満ちた香り、そして得も言われぬ奥深い味わいや余韻を生み出します。
これら斗瓶取りの酒は、業界最高峰の清酒品評会と称される「全国新酒鑑評会」に出品するために醸された貴重なものばかり。市場にお目見えする機会がほとんどない逸品との出合いは、まさに「一期一会」といっても過言ではありません。
そんな希少で物語性に富んだ酒は、人生のハレの日や大切な節目を迎える祝いの席に最適。1987年以降に醸された大吟醸酒にビンテージ(醸造年度)を刻み、「斗瓶囲い」という贅沢な貯蔵方法を彷彿とさせる720ml入りのミニ斗瓶に詰めた「TOVINTAGE(トビンテージ)」なら、特別な日にきっと華を添えることでしょう。
例えば、生まれた年に醸された貴重な一本を、人生の大切な節目にプレゼント。企業の周年記念には創業年の酒を口開けし、祝いの杯を。これまでの道程をグラス片手に語り合い、将来のさらなる発展を誓い合うのもいいものです。
人それぞれのドラマにそっと寄り添い、過去から現在、そして未来への軌跡がより輝かしいものになりますように―。「祝古酒 TOVINTAGE」には、そんな思いが込められています。
TOVINTAGE(トビンテージ)とは
岡山県赤磐市で創業320年の歴史を持つ室町酒造が醸した最高峰の大吟醸酒を、蔵内の低温環境下でじっくりと熟成させた古酒。蔵人たちの手によって丹念に造り込まれた作品は、時を重ねるにつれ、豊かな香りと深い味わいを醸し出してゆきます。
そんな貴重な酒を熟成させる際に使われるガラス製の“斗瓶”と、醸造年度をあらわす“VINTAGE”をブランド名に込め、「TOVINTAGE(トビンテージ)」と命名しました。またとない喜びの瞬間を分かち合う祝酒として、さまざまな場面で愛飲いただけたら幸いです。
室町酒造の蔵の一角にある貯蔵庫。そこには幾個にも及ぶガラス製の斗瓶が並び、厳冬期に最高の原料と最高の技術で醸した大吟醸酒の雫酒が静かに眠っています。雫酒とは、醪の入った酒袋を吊るし、自然に滴り落ちる雫だけを集めたもの。その貴重な逸品が、約20年の時をかけてゆっくりと熟成を重ね、まろやかな口当たりと円熟味を帯びた格調高い古酒へと昇華しました。酒造年度によって異なる色艶や香り、味わいが楽しめるのも、大きな魅力のひとつです。熟成酒が織りなす独特の奥深い世界を、心ゆくまでお楽しみください。
TOVINTAGE(トビンテージ)ができるまで
私は2014年に3代目代表取締役に就任し、まず目指したのは従来の酒販店ではない、オンリーワン酒販店だった。それは、「日本の酒を世界に、世界の酒を岡山へ銘酒を発掘し続ける」企業。店名を「銘酒を創り出す」理念のもと「岡山地酒創庫イチローズ」と名付けた。
隠れた逸品を探し求め岡山県内の酒蔵を一軒一軒巡っていくなか、2015年初春、室町酒造株式会社で衝撃的な光景を目撃した。蔵内にある大型冷蔵庫の中に数えられない程の斗瓶(とびん)が眠っていたのだった。しかもこれは鑑評会やコンクールに出すためだけに造られた特別な大吟醸。
ストックは昭和62年(1987年)からのなんと約30年分。説明をする花房満社長からは、このお酒に対する熱い思いと溢れんばかりの愛情が込められており、まるで自分の子供達について話しているようだった。そして、「このお酒をそろそろ世に出していきたいのだが、良いアイディアはないですかね?」と思いがけない質問を受けた。これは私にとってまさに「銘酒を創り出す」挑戦し甲斐のある大きなチャレンジだった。
その後このお酒が引き寄せてくれたかのようにブランディングデザインのプロフェッショナル、佐藤豪人氏と出会い、この大きな課題をシェアして一緒にやっていくことになった。そして室町酒造・HIDETO SATO DESIGN・岡山地酒創庫イチローズ3社のコラボレーションが始まった。
そして実際商品化を目指して試行錯誤するうちにさらに多くのプロフェッショナルが賛同者として加わり、デザイン・ライティング・WEB・販路開拓支援がまるで一つの輪になり、ついに全く新しいブランド、岡山地酒創庫イチローズPB(プライベートブランド)「大吟醸祝古酒 TOVINTAGE(トビンテージ)」が完成した。