酒との出逢いとOEM(対談 vol.01)

お酒のコンシェルジュ・平松一郎

土屋(ツチヤコーラ) : まずは自己紹介からはじめましょうか。平松さん、お願いします。
平松(地酒創庫イチローズ): 地酒創庫イチローズとして、岡山県倉敷市にてお酒の小売卸事業をおこなっております。お酒関係の資格としてはSSIインターナショナル国際唎酒師、そして日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格をもっております。 事業を継承して7年、私は3代目になるのですが4年ほど前から岡山で作られているお酒を中心に世界(香港・シンガポール・マレーシア)へ向けての輸出事業もおこなっております。地元の酒造と共同での新商品開発にも取り組んでおり、弊社のオリジナル商品をはじめとした日本酒や果汁をつかったリキュールなどさまざまなお酒を造っております。
土屋(ツチヤコーラ) :ありがとうございます。地酒創庫イチローズのホームページは僕が手がけていて。平松さんとはだいたい7年くらいの付き合いになります。…そんな僕が「クラフトコーラ作ります」って聞いたときには平松さん、びっくりされたとか笑
平松(地酒創庫イチローズ): あはは笑 そうですね、なぜデザイナーである土屋さんが作り手になるのかというのは疑問を感じておりました。
土屋(ツチヤコーラ): 実際にツチヤコーラを飲んでみて、どうでしたか?
平松(地酒創庫イチローズ): 最初の印象は、マイルド。コーラといえば、コカ・コーラがベンチマークですが、それを意識しながら飲みました。ツチヤコーラはとても優しい味わいでしたね。パンチが弱いので、中には「薄い」と感じてしまう方もいるかもしれません。
土屋(ツチヤコーラ): もともと僕自身がコーラが苦手で、誰でも飲めるコーラを目指していたので、一般的なコーラと比べるとだいぶ異端なドリンクでしょうね。平松さんはさきほど答えていただいた通り、ソムリエの資格をもたれているので当時は非常に緊張しました笑 そもそもソムリエってどのような方を指すのでしょうか?
平松(地酒創庫イチローズ): ソムリエとは、簡単にいうと”ワインについてお客様に説明ができる人”なんです。味・香りはもちろんのこと、商品の作られた歴史を知っていてどんな料理にあうのかを判断できるなど、総合的に説明ができる人をイメージしていただくとわかりやすいですね。
私がソムリエ(ワイン)の資格をとったのは、実はもう20年以上も前の話になるんですが、年3~4回開かれるソムリエ協会のセミナーにはかかさず参加をしております。
土屋(ツチヤコーラ): ただ、味や香りを見きわめる技術だけでなく、知識を深める努力も必要なんですね。……やっぱり緊張しますね笑
平松(地酒創庫イチローズ): 大丈夫ですよ、好みによって味わい方は異なりますからね笑 ワインもいろんな種類が増えましたし、僕の舌もかつてほど洗練さがあるのかは正直自信ないですから。
土屋(ツチヤコーラ): いえいえそんなことはないですよ。いま、ワインにもいろんな種類が増えたといわれましたが、岡山をはじめ日本のワインがとても美味しくなったというお話しもよく耳にします。平松さんはどう感じておられますか?
平松(地酒創庫イチローズ): そのとおりだと思います。私がソムリエの資格をとった時期にも日本のワインはあったのですが、日本のワインといえば甲州ワイン(白ワイン)といわれていたんです。でも、当時の味はただただ酸っぱくて私は苦手で。日本の葡萄で作ったワインだから、日本料理にあうといわれていたのですが、正直疑問に思ってました。 最近の日本ワインには、酸っぱみ…酸以外にも旨味だとかまろやかさが含まれていて、ギスギスした棘がとれて、食事にあわせやすくなったと感じます。甲州をはじめ、日本のワインが海外の方にも評価されるのは当然だろうと感じますね。
土屋(ツチヤコーラ): なるほど、ソムリエ歴20年の平松さんだからこそのエピソードですね。

岡山の地酒に特化したのはなぜ?

土屋(ツチヤコーラ): 地酒創庫イチローズでは、日本酒などを中心に取り組んでいる印象が見受けられます。これって理由はなにかあるんですか?平松(地酒創庫イチローズ): 小売業はなかなか競争が難しいことを実体験から知っていたので、父が他界してから家業を継ぐか継がないか、どのように取り組むかは非常に悩んだんですね。 悩んだ末に3代目としてこれからは「岡山の地酒に注力した商売をしたい」と思ったんです。それからは、岡山の酒を取り扱う経営者や関係者のもとへ、どんどん自分を売り込んでいきました。土屋(ツチヤコーラ): いろんな選択肢の中、岡山のお酒に着目したのはなぜですか?好きだったからとか。平松(地酒創庫イチローズ): いえ、当時は岡山にはどのようなお酒があるのかもまったく知らず…
土屋(ツチヤコーラ): ゼロからのスタートだったんですか!?
平松(地酒創庫イチローズ): そうですね。でも、いろんなお酒のイベントや酒蔵を覗かせていただき、実際にお酒を呑んで「岡山のお酒ってこんなに美味しいんだ」と感動したことを覚えております。その時期や特定の酒屋しか取り扱っていないお酒もあったりして、いろんなタイプのお酒があることも学びました。こうしたお酒との出逢いを地酒創庫イチローズとして多くの方へ届けたいと思います。
土屋(ツチヤコーラ): 貴重なお話しを聞かせていただきました。こうして岡山のお酒の魅力を知ったわけですが、岡山のお酒って他県と比べてみてなにか特徴ってありますか?
平松(地酒創庫イチローズ): お酒の種類にもよりますが全体的には甘みが強いですね。瀬戸内の食文化・・・料理では醤油も甘口なものが多いので、甘めなお酒が多いのも頷けますね。お酒は料理にあうように作られてきたんだな、と。
土屋(ツチヤコーラ): お酒と料理の関係性は深いんですね。お互いを引き立てる、最高のパートナーだ。

地酒創庫イチローズが提案するお酒のOEM

土屋(ツチヤコーラ): 最近平松さんが尽力されているのが、酒造り。OEM(Original Equipment Manufacturing)だと伺いました。最近お問い合わせが増えているそうですが、たとえば「こんな相談ありました」というのを話せる範囲でご紹介できたりしますか?
平松(地酒創庫イチローズ):問合せをいただくのは、わりと若い方や、新規でビジネスをつくっていく方が多いです。ジン+〇〇な商品を作りたいとか、日本酒+花のエキスを混ぜたお酒を作ってみたいなど、いままでにありそうでなかった新しいものを作りたいという相談を受けます。
土屋(ツチヤコーラ): いろんな声が届いているんですね。しかし、お酒をつくる経験を持たれている方はなかなかいないと思うのでなかなか踏み出せずに躓いてしまう方も多いと思います。
平松(地酒創庫イチローズ):そこをサポートするのが私の役目ですね。長年の経験と積み上げてきた関係があるので、そもそも実現可能そうかどうか、ここの酒造さんと組み合わせると面白い化学反応が生まれるのではないかと想像を膨らませてご提案します。
土屋(ツチヤコーラ): なるほど、OEMがはじめてな個人・企業でも気軽に相談ができるのは安心でありがたいですね。制作体制が気になるのですが、地酒創庫イチローズの場合はどのように製造されるのですか?
平松(地酒創庫イチローズ):イチローズ自体は工場をもってはいませんので、商品を作るのは提携会社、つまり蔵元さんのもとで作ることになります。実際にプロジェクトが進んでいくと、日本酒・リキュール・ビールなどお酒の種類はどんなタイプにするか。パッケージや味はどんなものにするか詳細を決めていきます。
土屋(ツチヤコーラ): いろんな酒造さんとともに商品を作り上げていけるのは、イチローズならではの強みですね。 最後にはじめてOEMをお問い合わせする方に向けて一言お願いします。
平松(地酒創庫イチローズ):プロとして出来る限り商品化が実現するように検討しますので、ご相談の際にはまず第一にどのような商品を作りたいか。そして第二にどれくらいの商品の価格を、どれくらいの数を作りたいかをお教えいただきたいと思います。味やラベルデザイン・ボトルの形など、こだわりが多ければ製造工程も増えて受注可能かどうか熟考が必要ですが、希望内容によって異なりますのでまずはお問い合わせフォームのオーダー表にご記入いただければと思います。 瓶の中身はそのままで、ラベルのみを張り替えることも可能です。メッセージやイラスト、顔写真を張り付けてギフトとしてご注文いただく方もおられますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
土屋(ツチヤコーラ): ありがとうございました!

お問い合わせはこちら